卒園式は、子どもたちの成長を祝い、保護者への感謝を伝える大切なイベントです。保育園にとっても、園の作風や信念を表現する機会であり、このイベントを成功させることは、園の信頼を高めることに繋がります。本記事では、卒園式の準備や運営のポイントを詳細に解説します。
卒園式の意義と目的
卒園式は、卒園生の成長を祝い、新たな階段への始まりを祝福する会です。これは卒園生自身にとって大きな記念となり、保護者への感謝を表現する機会となります。他にも、保育士や園長の努力を保護者に見てもらうチャンスでもあり、保育園の信念を示す場所としても意義を持ちます。
卒園式はまた、園の教育方針や理念を改めて保護者に伝える場でもあります。例えば、子どもたちが日々の保育活動を通じて学んだことや身に付けたスキルを式の中で披露することで、保護者に感動を与えることができます。
一方で、卒園式の準備は時間や責任が大きく、保育士や園経営者にとって大きな負担となりがちです。そのため、早い段階での計画としっかりした準備が必要です。
卒園式の準備:スムーズな進行のための計画
スケジュールの決定
卒園式の日程や場所の決定は、保護者との調整も重要です。年間スケジュールで年始の状態から卒園日が決まっている保育園もあるかと思いますが、開始時間や終了時間まで細かく決まっている事は少ないでしょう。小規模な保育園で保護者の予定に併せて日程を確定する場合には、保護者にアンケートや日程調整アプリを通じて意見を聞くのが効果的です。特にこのようなシステムを使っていない施設では無料でも利用可能なGoogleFormを利用するのも有用です。
また保護者の中には土日が勤務日である方や夜勤がある仕事に従事している方、シフト制で勤務が決まる方など様々いらっしゃいます。折角の卒園式に出席できないなどの事が起きないよう、詳細なスケジュールは遅くとも2か月程度前までには通知することをお勧めします。その際、園児の服装などに関しても軽く触れてあげるとよいでしょう。施設によって、スモックや園服がある場合はフォーマル度も違うかと思います。 一つでも保護者の不安を解消してあげることに心がけてください。
場所選びも重要なポイントです。園内で行う場合は、十分なスペースが確保されているかを確認し、外部施設を利用する場合は事前予約をしっかり行いましょう。また、駐車場の有無や公共交通機関でのアクセスの良さも考慮する必要があります。
必要な準備物のリスト
一般的に卒園式では下記のような物の準備が必要です。ここに園独自の準備物がある場合はそちらを加えて、忘れないようにリスト化しましょう。
- 式次第のドキュメント
- 卒園証書
- 装飾品(花、バルーンなど)
- 演出に使用する小道具や音響設備
- 式用の椅子や座席表
これらのアイテムを一覧化し、仕入れ・補充に投資する時間の確保を行います。また、手作りの装飾を取り入れることで、園の個性を表現することも可能です。特に卒園証書は既製品に園児の名前を入れるだけでも簡単に作成することができますが、Canvaなどのツールを使う事で、可愛く思い出に残るオリジナルの卒園証書を作成することもできます。是非検討してみてください。
演出やプログラムの構成
卒園式のプログラム構成は、園児、保育士、保護者が互いに伝え合う場面を含めることが重要です。例えば、以下のようなプログラムが考えられます。
- 開会の言葉
- 卒園証書の授与
- 園児からの感謝の言葉
- 保護者からのメッセージ
- 園長・保育士からの激励の言葉
- 記念撮影
特に、保護者が参加できるコーナーや園児との交流を深める場を設けることで、より感動的なイベントとなります。また、音楽や映像を活用した演出もプログラムに取り入れると、卒園式全体のクオリティが向上します。
準備のための時間・予算を確保する
重要でありながら忘れがちな事が時間と予算の確保です。特に時間の確保は重要です。日々の保育業務に追われる保育士が卒園式のための準備をするのは中々大変な事です。園児のために残業や持ち帰り作業で何とかこなそうとする施設もあるかと思いますが、労働環境の悪化は保育士の健康状態にも影響を与え、離職率の増加にも繋がってしまいます。
「園児のために」というやりがいは、保育士にとって、とても素敵な事ですが、それが招く過労働での離職率増加は本末転倒です。保育園経営者や園長はこの点のバランスを鑑みて、ICTでの業務効率化や外部利用による負荷の軽減にも目を向ける事が重要になります。
運営のポイント:当日の流れとトラブル対策
大事な卒園式は無事に完遂したいものですが、トラブルが起こる事も想定されます。そのような事態に備えて以下の点を押さえておきましょう。
事前リハーサルの実施
リハーサルは、子どもたちや保育士にとって当日の流れを確認し、安心感を与える重要なプロセスです。特に、以下のポイントを確認します。
- 卒園証書授与の動線
- 保護者の座席配置
- 音響や映像機器のチェック
リハーサルを通じて課題を洗い出し、当日に備えます。また、子どもたちに対しては、卒園式当日の流れを絵本や簡単なスライドで説明することで、理解を深めることができます。
そして一番トラブルが起きやすいものが音響や映像の投影時です。機器やパソコンの操作に慣れないスタッフが実施する事になる場合は、事前に確認する事はもちろん、万が一の状態に備えて、リハーサルの段階からパソコンを2台用意してダブルスタンバイするなど、万全の体制を整えましょう。
当日のスムーズな進行
当日は、以下の点に注意して進行します。
- スタッフ間の連携をスムーズに保つために、役割分担を明確化する
- 子どもたちが緊張しないよう、リラックスできる雰囲気を作る
- 保護者に対して事前にタイムスケジュールを共有し、協力を依頼する
また、進行役を決めておくことで、式全体の流れがスムーズになります。進行役は、式の進行だけでなく、トラブルが発生した際の対応にも柔軟に対応できるように準備しておく必要があります。
トラブル対策
当日は予期せぬトラブルが発生する可能性があります。例えば、以下のようなケースに備えておくと安心です。
- 音響機器のトラブルに備えた予備機材の用意
- 雨天時の代替プランの策定
- 子どもたちが緊張して泣いてしまった場合のサポート体制
前述したように、音響や映像に関してはヒューマンエラーが起こりやすいポイントになります。事前の対策を十分に行いましょう。
またこの中では特に、子どもたちの感情のケアに配慮することが重要です。いつもと違う環境に極度の緊張状態になってしまう子どもが出てくることがあります。緊張を和らげるためのリラクゼーションエリアを設けたり、保育士が一対一で対応する準備を整えておきましょう。
心に残る卒園式を演出するアイデア
写真や動画の活用
子どもたちの成長を振り返るスライドショーや動画は、保護者に感動を与えます。卒園式後には、これらの映像を共有することで良い思い出として残ります。スライドショーには、日々の活動風景や行事の写真を組み込み、保育園での思い出を再現することが効果的です。
これらの画像や動画のクオリティを求める場合は外部専門家に委託することが有用ですが、先生が子どもたちとの思い出に沿って作成する事で、より大きな感動を与えることができることがあります。特に短い動画や簡単なスライドを含むスライドショーを作成する場合、こちらもCanvaを使って行う事ができます。
記念品の贈呈
卒園生に向けた記念品を準備するのも一案です。例えば、メッセージ入りのアルバムや手作りの小物などが喜ばれます。また、保護者向けにも簡単な記念品を準備することで、園全体の思いやりを感じてもらえるでしょう。
SNSでの発信
卒園式の様子を保護者の許可を得た上でSNSに投稿することで、保育園の魅力を広くアピールできます。事前に許可を取り、許可を得ることができなかった園児に関しては、SNS用の撮影に際して映り込むことが無いよう、細心の注意を払いましょう。また、式の後にSNSで保護者からの感想を募集し、それを次回の卒園式の改善材料とすることも可能です。
卒園式後のフォローアップ
卒園式後には、保護者に対して感謝のメッセージを送り、アンケートを通じてフィードバックを収集します。これにより、次回以降のイベントの改善につなげることができます。
また、卒園生の記録をまとめたアルバムや写真データを提供することで、保護者との信頼関係を強化します。さらに、卒園後の保護者との交流を続けるために、定期的なイベントやニュースレターを送ることも検討しましょう。
卒園式で最高の思い出をプロデュースしよう
卒園式は、保育園の信念や価値を体現し、子どもたちや保護者との絆を深める絶好の機会です。十分な準備とスムーズな運営を行うことで、心に残るイベントを実現できます。本記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ素晴らしい卒園式を作り上げてください。
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